エレキギターのすゝめ

エレキギターのすゝめ

エレキギターを、弾こう。

「エレキギターもいいけどイラストを始めてみたいんだよね」

「そんなことよりカメラを極めたいんだ」

そう思った方は。そちらに力を注いで欲しい。エレキギターがそれらよりも優れていると言いたいわけではない。

趣味を愛することの素晴らしさを再認識するために、なにかに煮詰まったときにまた訪れてくれると嬉しい。

本稿の対象は老若男女国籍学歴趣味趣向を問わないが、

エレキギターを触ったことがない、あるいは最近弾いていない方を想定して書いている。

非常に簡単な3つのステップでエレキギターを始めるために必要なことと、その魅力をお伝えしていく。

これより先は偏見に満ちている。異論は認める。私はただこの世に愛が拡がって欲しいと願っているそれだけだ。

準備ができた方から読み進めていただきたい。


中学生の時に聴いていたバンドを思い出す

まずは中学生のころに聴いていたバンドを想像してほしい。

なぜ中学生かというと、エモい時期だからだ。そして男女問わずギターが含まれている音楽に触れている可能性が高い。

適当なものがなければこれを聴いてくれ。

Oasis「Morning Glory」

仲の良かった友人や、兄弟、両親にその頃のことを聞いてみてもいいかもしれない。

久しぶりの連絡。懐かしい話題。きっと喜んでくれる。

このようにエレキギターは、その存在のみで人を幸せにする。まだあなたはエレキギターに触ってもいない。

3曲ほど好きなものを選んで、「この中の一曲を絶対に弾いてやる」そう決めてくれ。

あえて助言するのであれば「お洒落なヤツ」より「スカッとするヤツ」の方が早い段階でそれらしく弾ける可能性は高い。

アーティストで言うとLittle Barrie よりGreen Day、Warpaint よりAvril Lavigneだ。

Green Day「American Idiot」

出だしだけでもいい、ギターソロだけでもいい。「弾けるようになる」と決める。

必要に応じてYouTube でライブ映像でもあさってテンションを上げる。

もし、この段階で「ベースもいいな」と思ったらベースを極めたって構わない。

エレキギターはそんなあなたをも赦すだろう。


エレキギターを買う

次にエレキギターを買う。

レンタルできるスタジオもあるが、購入をおすすめする。

レンタル彼氏、レンタル彼女。そこに愛を見出すことができるならレンタルでも良い。

Fender / Telecaster

facundohimselfによるPixabayからの画像

どのモデルが良いかわからないなら、「テレキャスター」を買おう。

初心者におすすめのモデル。という勧め方は実にナンセンスだ。

彼(彼女)らには個性がある。一本一本違う。本当だ。本当だぜ。

よって「初心者ならテレキャスター」と言うのは「付き合うならカナダ人がいいよ」と言ってしまうくらいに稚拙だ。

しかしながら我々人類を裏切らない確度が最も高いのは「テレキャスター」だ。

往々にして彼(彼女)らは懐が広い。手にすると気付くかと思うが非常に人間的でもある。

もちろん、「調べてみたけど「テネシーローズ」ってやつがいい」という人はぜひそうしてほしい。愛がすべてだ。愛で塗りつぶせ。

Gretsch / Tennessee Rose

herb1979によるPixabayからの画像

なにをどこまで揃えたらいいいのかわからない。そうだろう。まずはエレキギターそのものを買ってくれ。

ただ、ここでいう「エレキギター」という楽器は、先ほどの「テレキャスター」や「テネシーローズ」では完結しない。

エレキギターは初期設計から、スピーカーから音を出力するまでが「エレキギター」という楽器だ。

よって小型のスピーカー(「アンプ」と呼ばれる。厳密にはアンプ≠スピーカーだが、詳細は割愛)と、

接続用のケーブル(「シールド」)も購入する。

YAMAHA / THR10(Ver.2)

YAMAHA HPより

「エフェクターがないと味気ない」とか、「チューナーは買うべき」とか。

一旦無視していい。まだ調べなくていい。弾いたこともない輩が言っている可能性すらある。

エレキギターを弾くという事実に、エレキギター以外は必要ない。最も重要なのは「エレキギターを弾く」ことだ。

それ以外のことは後でいい。自分で気付くことが重要だ。そして調べる。試す。違いがわかるようになってくる。

また気付く、調べる、試す、わかる。この繰り返しになるだろう。愛はその行程で育まれる。

ただしチューニング(音程を合わせること)は大事だ。クセは修正できるが、耳が育つのが遅れると楽しさが半減する。

先述のアンプにはチューニングに使う「チューナー」が内蔵されているが、特別なものは必要ない。

「ギター チューニング」でググる。必要ならYouTube で「440Hz」と検索してくれ。

意味はまだわからなくていい。この記事を閲覧できるなら容易いことだろう。

ググったとき出てきた「DADGAD」とか「Half step down」とかはやはり一旦無視しよう。

もしなにか知らなくて馬鹿にされたとしても、その人自体に問題がある。

このようにエレキギターは人間の本性をも暴く。


周りに伝える

弾く曲を決めた。エレキギターも買った。最後にするべきは「人に言う」ことだ。

一番近しい人、応援してくれそうな人、馬鹿にされたくない人。すべてに「ギター始めたんだよね」と言う。

「なんで今更?」とか、「いまどきギター?」とか、「相談もナシに買わないでよ!」とか言われる可能性もある。

「わかってないなぁ」と言おう。

そして、あなた自身もわかっていなくて大丈夫だ。

「アコースティック?」という問いにのみ「エレキ」と答えればいい。

具体的な練習方法などは既に書籍やサイト、動画が非常に充実しているので言及しない。

選んだ曲のスコア(楽譜)を買ってもいいし、聴きとった音程を再現してもいい。

この3ステップを達成したあなたは練習せざるを得ない。そして最初に決めた曲を弾けるようになるだろう。

弾き終わったとき、もう1曲、もう1フレーズとできることを増やしたくなっていれば、その気持ちを大切にしてほしい。

ギターは愛だ。

フレットという発明によって運指(/音程)の不正確さをカバーしてくれる。

それと同時に、わずかな音程のルーズさが音響特性に現れている。

人の声と同じように、人の心を震わせるのである。

エレキギターは自由だ。

楽器としての歴史が比較的浅いこともあり、曖昧な部分が多い。

しばらく弾くうちに「こんな音が出してみたい」「こんな弾き方ができるようになりたい」と思うだろう。

ある程度のセオリーは存在するが、それすらもエレキギターはあなたに強いることはしない。

気付く、調べる、試す、わかる。先述のステップを踏むなかで、ある人は際どいエフェクターを収集し始め、また違う人は内部の配線までいじり始める。

曲を書いたっていい。もちろんバンド仲間を作ってライブを企画することもできるだろう。

(アンプの電源まわりだけは不用意に手を出さないでくれ。これだけは危険なので言っておく)


さいごに

もうあなたは無敵のはずだ。

どんな嫌なことがあっても、家に帰ればそこにはエレキギターがある。

なんなら家から連れ出しても構わない。

とにかく「なにかできるヤツ」あるいは「ギターも弾けるヤツ」にあなたは変わった。

クラスに友達ができる。商談の際に話のネタになる。アイデアの着想を得る。

人によっては木材や電気回路に詳しくなったり、エレキギターを起点にマーケティングに関心が生まれる可能性もある。

気になるカレと出かける口実だって作れるかもしれない。

筋トレが最強。という論で書籍まで出ているが、あれらのメリットはほぼ全てエレキギターにも言える。

ただ、お気づきの方も多いかもしれないが、多くの場合エレキギターは直接の課題解決に結びつかない。すべては自分次第だ。

最悪の事態に凶器として使用することはできるだろう。おすすめはしないが、グレッチで打ってほしがる人もいる。

時間もお金もかからないから。と人に勧めるつもりは毛頭ない。時間はかかる。お金もかかる。

まだ敬遠する人にお教えしておくと、エレキギターは、売れる。所謂「趣味の道具」で比較したときにリセールバリューが高い。

安心してエレキギターを買ってくれ。もちろん自己責任だが。

私からお伝えできることはこの程度だ。

最愛の楽器とより良き人生を歩んでほしい。